アサーションとは?
人間関係、コミュニケーション、伝え方や受け取り方で傷付いたことはありませんか?そんな時に使える技術にアサーションというものがあります。
アサーションとは、心理学用語のひとつで「自分も相手も大切にする自己表現」という意味です。
主張はしっかり行うものの、相手は傷つけないというコミュニケーション方法です。
実行に移せるのがもちろん1番いいですが、私はこの技術を知るだけでとても楽になったので、まずはどんなものか知るだけでも大丈夫です!ぜひ続きをお読みください。
アサーションとの出会い
私が最初にアサーションに興味を持ったのは、上司からのパワハラじみた発言からでした。
相手(私)を傷つけるために用意したような言葉を吐き続ける上司に対して、
どうしてこんな言い方しかできないんだろう、、、
これ以上言葉を真正面から受け取ると心がもたない!
と思いました。
そこで、解決策として調べてみた結果出てきたのが平木典子さんの「アサーション入門 自分も相手も大切にする自己表現法」という書籍でした。
この本に出会って、この考え方が世の中に広まってみんなが意識して使えるようになれば、みんなが認め合って傷つかない素敵なコミュニケーションができるのではないか!と思いました。
アサーションの3つのタイプ
アサーションには3つのタイプがあります。
①アグレッシブ(攻撃的自己表現)
思ったことはズバズバ言い、高圧的な態度で、時に言い方がきつく人を傷つけることもあります。
セクハラやパワハラがまさに典型的な例として挙げられ、相手の弱みにつけこみ、相手の気持ちは無視/軽視して結果的に自分を押し付ける自己表現です。
②ノンアサーティブ(非主張的自己表現)
自己主張が苦手で、言いたいことを我慢したり曖昧な言い方で交わすことを好みます。何を考えているか分からないと扱いずらさを与えてしまう事があります。時に、反論せずもめごとを回避してくれる都合のいい人ともみなされてしまいがちです。
③アサーティブ(攻撃的タイプと非主張タイプの黄金比)
自分の気持ちを率直に伝えつつ、なおかつ相手の反応を受け取ろうとするタイプ。場の空気に合わせてちょうどいい表現ができる理想的な状態といえるでしょう。
あなたはどのタイプに当てはまるでしょうか?
アサーションのよくある誤解
アサーションとは、自分の思いを正直に、率直に、なるべく相手にわかりやすいように伝えることですが、相手も同じように自己表現することを前提としています。
ですので、たとえ自分の思いが伝わったとしても、物事は思い通りに進むとは限らないこと、人間関係は互いに同意したり、同意しなかったりしながらつくられていくことを前提としたコミュニケーションということになります。
率直に話してすぐに意見や考えが一致すればそれはラッキーなことです。
合意が得られない、納得できないときには互いに意図を説明して歩み寄り、合意点を見つける話し合いをするのです。
アサーティブになるには
それでは具体的に、どういった伝え方をしたらいいのか考えていきましょう。
1.自分の意見や気持ちを確かめる
自分を表現するにはまずはこれを明確にする必要があります。
目の前の出来事、会話の内容に対して自分は何を思っているのか。悲しい、腹立たしい、困っている、迷い、緊張、不安など様々な気持ちがあることに気付くことがあると思います。その感情をありのままに受け入れ、大切にすることが出発点となります。
2.自分の思いを言語化する
自分が持っている言葉で大丈夫です。なるべく素直に言語化してみましょう。
会話が難しければ、手紙やメッセージにしてみるのも一つの方法です。ゆっくりで大丈夫です。その時に素直に言葉にすると共に、相手のことも大切にすることを心掛けてください。
この表現で間違っていないかな、傷つけないかな、誤解されないかな。そういった相手を思う気持ちがあって初めてアサーティブなコミュニケーションが成立します。
DESC法を活用する
そうは言っても、自分の気持ちがわからない!言語化できない!という方もいると思います。そんな時に使える手法に「DESC法」があります。
DESC法とは、描写(Describe)・表現(Explain)・提案(Specify)・選択(Choose)の頭文字からなる言葉で、4つの段階に分けて自分の気持ちを伝えるコミュニケーションスキルです。
描写(D):事実を伝える
表現(E):事実に対する主観的な意見を伝える
提案(S):具体的かつ現実的に実行可能な解決策や、相手に求めていることを伝える
選択(C):提案に対する相手の反応次第で、次の行動を選択する
という流れになります。具体例として、余裕がない時に上司に仕事を頼まれた場合について当てはめてみます。
描写(D):納期が近いタスクが溜まってしまい、集中して作業しないと納期遅れを起こしてしまいそうです。
表現(E):なので、今は自分のタスクに集中したいと思っています。すみません。
提案(S):ただ、もし私のタスクの中に納期を延ばしても良いものがあれば、代わりに資料作りをお手伝いできます。
選択(C):どうでしょうか。もし納期を延ばせないのなら、申し訳ありませんが私のタスクに集中させてください。
という形です。いかがでしょうか。Choose(選択)についてはさらに先に疑問や提案が続く場合があるので、複数パターンを用意しておくと不測の事態に備えられるかと思います。
DESC法が難しい場合のおすすめの方法
ぶっちゃけさっき紹介したDESC法は一般的に有名な方法ではあるのですが、いざやろうと思うと、自分ってどう思っているんだろうとか、どうしたいんだろう、解決策には何があるんだろうか、と思いませんでしたか?
そんな時におすすめなのが、聞いてみるという方法です。
例えば、彼氏がすごく不機嫌で、嫌味を言ってきたり、言葉が強くなっていてやめてほしいと思っている場合に当てはめてみたいと思います。
事実:あなたはさっき○○って言ったよね?(事実を伝える。ちょっと疑問ちっくにしても可)
意見:その言葉は私にとっては嫌な気持ちになるし、傷つく言葉なんだよね。
疑問:もし、私に出来ることであればやりたいと思っているんだけど、具体的にどうすればいいかな?
という感じです。相手から提案を引き出すことで選択肢の一つにしてしまおうという考え方です。
そうすると意外と相手が思ってもみないことで悩んでいることに気付けることもあります。
まとめ
アサーションについて少しは理解していただけましたでしょうか?
私は仕事で最初に取り入れてみたところ、「言いたいことが伝わるし、我々もどう動いていいかが分かりやすい」と経営陣に評価して貰えたり、自分の意見を伝えることで、相手も同じように意見を言ってくれることが増えて、上司や同僚とのすれ違いも徐々に少なくなりました。
しかし、プライベートの人間関係である、家族や恋人には未だ実現出来ているとは言えない状況です。
大切にしたい、嫌われたくないという感情を優先してしまい自分が言うことを聞けばいいやと思ってしまうのでできない人の気持ちもよーーーーくわかります(笑)
だけど、今回のアサーションという技術を知ることで、いざ伝えたい!今なら伝えられそう!というチャンスが来た時に使えるのではないかなと思います。
アサーションは仕事、家族、友人、恋人、すべての人間関係において良好な関係を築けるとっても魅力的な技術だと思っています。ぜひ活用してみてください。
ちなみに、下記サイトから自分のアサーティブタイプの診断をすることができます。
私は会社を想定したらアサーティブ型で、旦那を想定したらプチアサーティブ型でした。精進します!